医科歯科連携の重要性

介護施設の入所者を2群に分け、一方にのみ毎食後の歯磨きと咽頭の清拭、歯科医師による定期的な評価などの口腔ケアを行ったところ、肺炎発症率は口腔ケアあり群で有意に低かったのです(図2)。介護施設では、歯科との連携により適切な口腔ケアを行って入院を減らせれば、稼働率の維持につながります。

 

高齢化に伴い今後大きく増えるとみられている認知症においても、歯科との連携が大切といえます。65歳以上の高齢者の歯の本数や義歯使用の有無と認知症発症の関係を追跡したところ、「歯がほとんどなく義歯未使用」の高齢者は、「歯が20本以上」の高齢者に比べて認知症発症リスクが1.85倍と有意に高かったのです(図3)。

 

日経メディカルの記事「外部の歯科と連携したら在院日数が大幅短縮!」より

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/nhc/201902/559778.html

20本以上の歯を有する者の割合の年次推移からわかる2つのこと

日本国民のお口の健康状態を把握するための「歯科疾患実態調査」という調査があります。6年ごとに行われているのですが、最近では平成28年度に行われました。その中から興味深いデータを今回から5回に分けて読み解きたいと思います。

今回は20本以上の歯を有する者の割合についてのデータを見ました

1 同年代の残存歯牙数は増えている

まずはGood Newsから。6年ごとに調査は行われていますが、各年代における20本以上の歯を有する者の割合は上昇傾向でした。

例に55−59歳の図を抜き出しましたが、平成5年から平成28年にかけて、赤の右上矢印のように右肩あがりであることがわかります。歯磨き(口腔ケア)がむし歯、歯周病を抑えたことも一要因と考えられるでしょう。また、歯科医院が全国に普及することで国民の歯科治療へのアクセスが良くなり、

2 高齢になるほど歯牙は少ない。

年齢が上がると20本以上歯を持っている人の数は少ない。

平成28年度の時点で40−44歳台の年代の人は20本以上の歯を持っている人の割合は99%です。それに対して平成28年度の時点で85歳以上の年代の人は25%つまり4人に1人が20本以上の歯牙を持っていることがわかります。逆を言えば、4人に3人は残っている歯牙の数が20本未満になっているということです。高齢者の方が歯を失っている傾向があることがわかります。